2009/04/03

ルワンダの涙

「ホテル・ルワンダ」を前に観ました。





















衝撃の映画でした。実話に基づいてるってことと、ドン・チードルの迫真の演技で

ジェノサイドの恐ろしさと、主人公であるホテルの支配人のギリギリの勇気がリアルに伝わってきました。

ここでも、国連軍のあいまいな立場にイラっとしました。

ルワンダのジェノサイドを描いた映画でこれ以上のものはないだろうと思っていました。



ところが、「ルワンダの涙」が、辛口系の某映画紹介サイトで、なかなかの評価を得ていましたので興味が湧き観ました。







感想は、さすがBBC製作。



最後のエンドロールでスタッフ紹介があります。そうです。この映画は多くのジェノサイドを生き残った人達がスタッフとして製作に携わっているのです。だからあんなに克明なんですね。撮影現場もリアルに現地で行われました。

あの凄惨な経験を再現するという作業は彼らにとってどんなに過酷だったことでしょう。それほど、世界に訴えたかったんですね。



主人公はイギリスからやってきた海外青年協力隊の英語教師ジョー。イギリス人牧師が運営する学校で教えています。ルワンダは多数派のフツ族と少数派のツチ族がお互いに反目し合っています。そんな中フツ族出身の大統領の飛行機が撃墜され、一気に状況は悪化します。ベルギーの国連兵士が駐留していた学校にツチ族の人々が一気に避難しにやってきます。学校の外では、ナタをもったフツ族の民兵が集団でツチ族の集落に襲って来たのです。



隙あらば襲撃してやろうとフツ族の民兵達も学校周辺に集まってきます。すごい数です。こわいです。フツ族はツチ族を皆殺しにするつもりなのです。



学校には、NGO活動や仕事あるいは旅行でたまたまルワンダをおとずれていた白人達も避難しています。



そこに、フランス軍がやってきます。皆、やっと助かる!と歓迎ムードですが彼らはフランス人を助け出すためだけにやってきたのです。

交渉で、フランス人以外も「白人なら」一緒に連れて行ってあげましょうということに。

ジョーも、友人のBBCスタッフに一緒に帰るよう言われますが、彼は自分が去った後残される教え子達のことを考えると、とても彼らを置いてはここを離れられないと、神父や国連兵士たちと共に残るのです。



あるとき、門の外に転がる死体を食い荒らす野良犬達を衛生上の理由から国連兵士が撃とうとします。牧師は、「犬が撃ってきたのかね!」と叫びます。自衛以外の命令なしの武力行為は禁止されているからと、フツ族の残虐行為を黙認するくせに、彼らが殺した死体を食い荒らす犬は平気で撃とうとする。国連の役立たずの兵士に怒りをぶつけるシーンです。

この場面が原題「Shooting Dogs」の由来です。



死体が増える限り、野良犬は寄ってきます。元を絶て。と言いたいのですね。



いよいよ、駐留している兵士の身が危険だということで国連軍も撤退することになります。

(はあ?それって何?と文句言いたくなるが)牧師とジョーにとっては脱出の最後のチャンスです。最後の決断を迫られます。



さて、二人が決断し、国連軍が去った後、様子をずっと見守っていた多くのフツ族が「作業開始」という笛の合図とともに、学校へナタを持ってなだれ込んで行きます。



悲しくて、恐ろしいです。

何もしてあげられない。あるいは何もしてあげられなかった。そんなBBCスタッフの思いがこの映画製作につながっています。







話はかわります。

日本人って好奇心旺盛で、外国人好きな人が多いと私は思います。

私もそんな一人だと思います。



日本に来てくれる外国人の方には沢山のいい思い出を作ってお国へ帰ってほしいと思います。

そして、よくもまあ、こんな遠いところへ来てくれるもんだなあ。と感心したりします。



日本が平和な証拠。と、本当に平和のありがたみを噛み締めたりします。



随分前に、NHKスペシャルで、国連軍の制服を着たアフリカ人兵士が、内戦をおさえるために、国連に増派してもらえるよう上官に頼みますが、返事は「白人の兵士一人雇うのにいくらかかるかわかってるのか?」という一言で断られるシーンがありました。



白人の値段は高いんですよね。だって欧米の生活費は高いから。欧米人の給料は高いから。

物価の高さでいうと、日本もだいたい欧米並みですから・・・同じだな。



命に値段の違いがあるみたいで切なくなってしまう。



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