師範は、とっても小柄な方です。
学校の先生では言いにくいことも、ずばりと言ってくれます。
例えば、普段から態度もよく、稽古も熱心な子には、
突然ご褒美をあげたりします。
周りの子ども達がうらやましそーな顔をしたり、
「ひいきやー」という声がしても、
「差別じゃない。区別だ。」
とにっこりしながらきっぱり言います。
その一言で皆納得します。
子ども達は皆師範が大好きです。
稽古は先生(女性)が進めます。
稽古を始める前に毎回今日の言葉を習います。
俳句だったり、論語だったり、禅語だったり、般若心経だったり、
百人一首だったり、格言だったり、聖書の言葉だったり色々です。
お陰で私も以前に比べると物知りになりました。
最初に言葉を声に出して言わせた後、いきなり「意味は?」と子ども達に問いかけます。
その言葉から感じたままに子ども達は手を挙げて次々と思い思いに発言します。
学校では見られない光景です。
一通り皆の意見を聞いた後に師範が解説をしてくれます。
その解説が毎回奥が深くて、時には自分の既成概念がガラガラと心地良く崩れたりするんです。
子ども達も納得できないときは質問したりします。
あるときなどは、その言葉の解説に30分位かかって
「今日はこの言葉の意味が分かっただけで十分だよ。おわりにしてもいいくらいだ。
合氣道とはそういうもんだ」
なーんて言い放ったこともありました。
師範はなんか不思議なところがあります。
例えば、ひとみちゃんとポチャオ君が残って稽古をしていると、
それをしばし眺めた後、
「東北かどっか北の方の血が流れてるねー」
と私に言うのです。
実は先輩(ひとみちゃんとポチャオ君のお父さん)のルーツは新潟です。
私びっくり。そんなことなんで分かるの?
一年ほど前から道場では猫を飼っています。
その猫は、道場にきてる、そうくんとお母さんが、
ある日道場に行く為に車に乗ろうとしたところ、
タイヤの横に赤ちゃん猫が佇んでいて、ミイミイ言ってたのですね。
急いでいたのでどうすることもできず、とりあえず車に乗せて道場に連れて来ちゃったのです。
道場に到着して、猫をだいたまま先生に訳を話すと、
先生いわく
「ああ、その猫のことだったんだ、師範が2,3日前にもうすぐ迷い猫が来るからって言ってました」
だって。
また、昨年末、ひとみちゃんとポチャオ君が香川の祖父母のところに行っていて、
予定では新年の2日の稽古から出席の予定だったのですが、急遽予定変更で
12月30日の年末最後の稽古に突然行ったのですよ。
すると先生がびっくりして、
「師範にひとみちゃん達は2日からと何回言っても、30日に来るんだよねと繰り返すので、師範何いってるんだろと思ってたんですよ。ほんとに今日きてくれたんやね!!」
だって。
更に、数ヶ月前、ひとみちゃんの所属する合唱部がテレビに出たのですよ。
急なことだったので、別に誰にも言ってなかったんですね。
明くる日の稽古で
「私はほとんどテレビは観ないんだけど、昨日、急にテレビを観たくなってつけたら、
ひとみちゃんが歌ってたんだよ」と、にこり。
枚挙に暇がありません。
またいつかご報告します。
7 件のコメント:
師範、すごいですね。
きっと、体中に氣が正しく充実していると、
何かを感じるんでしょうねー。
わたしも不思議な整体師の方にお会いしたことがありますよ〜
うーん。
あの方は不思議な方です。
師範に出会えただけでもこの年まで生きてて良かった。高知に住んでて良かった。と思います。(私の師範ではありませんが。)
ましてや子ども達は本当に幸せだなーと思います。
整体師とは、なんだかいかにも不思議な人そうな職業ですね。
どんな不思議具合かまたまた気になります。
なんか、目をじぃぃぃーっとみられて
「アンタ、○△悪いやろ」とか言われました。
tiotioさんの影響で合気道に興味がわいてきました。
武道っていいですよね、精神鍛錬もされて。
わたしも不動心をみにつけたい。
えーーー!!
私も「アンタ、○△悪いやろ」っていわれた〜い!
合氣道は、私はやってませんが、子どもの通う道場と師範にぞっこんです。
色んな言葉を教えてもらえたりという、子どもの部ならではの良さがあるので、付き添いとして、毎回見取り稽古ができるのはラッキーです。
でもあと3年たったら、二人とも中学生で子供の部とはさようならです。。。
ひとみちゃんが呼んでくれた素敵な出会い。
いくつになっても素敵な出会いってあるんですよね〜。
これだから、人生楽しい。って感じですね♪
感謝することを忘れなければ、いいことが寄ってくるような気がします。
いつもありがとうございます。
いつも来ていただくばっかりで...
初めてお伺いしました。
「今日の言葉」稽古毎に必ず一つは良い習慣ですね。
うちの道場でも実践しています。
言葉は余程でない限り事前に決めず、
その時の状況に合ったものを教えます。
今日の稽古では「戒」と「律」についてでした。
子供たちがお互いに「静かにしろ」とか「姿勢を正せ」とか
黙っている私の代わりに注意し合うことがあるのですが、
それは第一義的でないことを説明しました。
「律」はみんなで守るもの、「戒」は己の胸に問うものですから...
まず各々が己に問う。心が整う時間が増えれば
感応性能が増幅して所謂勘が鋭くなるのは自然ですね。
Leaf.さんへ
なるほど!
心がけて参りますわ。
良い出会いは生涯の宝ですからね。
支部長さんへ
そういえば、ひとみちゃんは道場に通い始めてから、勘が冴えています。後ろから飛んで来たボールを間一髪で振り返りながらはじき返したり、男の子がふざけていきなり突進して来たときも、さらりと体さばきでかわしたり、友達の欠席を事前に感じとったり。。
支部長さんの硬派な文章はみてるだけでも背筋が伸びますよ。
私が支部長さんの「戒律」のくだりを理解する為につい声を出して読んだら、ポチャオ君は「わかる!」といって、私に解説してくれました。「第一義的とか、難しい言葉が入ってるのに、なんであんたすぐわかるんよ?(私でもわからんのに)」と尋ねると、「師範がよく使う言葉やから」とのことでした。
やっぱり通じる物があるのですね。
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