その昔、ある女性経営者の方が教えて下さったエピソード。
その女性経営者の方がある方と懇親会か何かでお話ししているときに
その人が少し考えてから質問してきました。
「もしあなたの会社の社員の人が給湯室でコップを落として割ってしまったらあなたはその社員の人になんと声を掛けますか?」
彼女は「大丈夫?けがはしなかった?と声を掛けます。」と答えました。
そんな時は「お家で何かあったんじゃない?大丈夫?」と聞いてあげるようにアドバイスを受けたそうです。
その女性経営者の方はドキッとして自分の未熟さを恥じたそうです。
なるほど。と私も唸ったのを覚えています。
その時は、「深いなあ。」と感心していたのに・・・
今日、とっても反省する出来事がありました。
私がここ何年か大変お世話になっている大先輩の女性がいます。
大大大尊敬している方です。
現在60代前半ですが、最近ちょっと意見に固執することが多かったり、意固地なところが少し気になっていました。
今日もある資料の仕上げの段階であと印刷に掛けるだけというところで、
「この原稿、やっぱりこれではだめ」と言い出して、周りがなんと説明しても「そんな問題ではない」
と、話し合いすら拒絶するムード・・・。
前の彼女だったら、相手の意見も良く聞いて冷静に判断してお互いに納得できるゴールを導き出す人だったのに
また、こんなことで流れを止めて・・・
とちょっと私もうんざりしてしまいました。
まあ、彼女の意見を取り入れて原稿執筆者の方にも連絡がとれてなんとかうまくまとまりましたが・・・
そんなことがあったので午前中におわる作業が午後にもずれこんだりして。
やっと作業が終わったので、遅めのランチをみんなでとって解散しました。
帰り道途中まで彼女と世間話などしながら歩いていると別れ際に
「実はね、宿毛の義理の弟が体調が悪くて高知市の病院に来てるの。
それがね、すごく悪くて、いつどうなっても不思議じゃない状態がこのところ続いててね。
だから、今主人と一緒に毎日病院に詰めててね。ホスピスの病院にいるの」
彼女の義理の弟とは、ご主人の弟さんのことです。
彼女とご主人は学生結婚でした。彼らが結婚した時、精神的に不安定だった義弟さんを、県外の自分達が借りている住まいに引き取り、
一生懸命励まし叱りしながら、大学に行かせたという、ただの義理の兄弟以上の存在、親子にも近いような存在でした。
弟は大学卒業後、就職し、結婚し、ことあるごとに「今のおれがいるのは義姉さんのおかげ」といってくれていたそうです。
そんな話を前に聞いていた私は衝撃を受けました。
彼女のことだからきっと毎日病院で涙をこらえて看病を親身に続けているに違いない。
自分の食事も後回しに義弟の一家の世話をしているに違いない。
「癌なんですか?おとうとさんって、あのおとうとさんですよね。」
「そうなの。病院でもね、毎日あの頃の思い出話を涙涙でしてしまうのよ。」
「そうだったんですか」
「うん、誰にもまだ言ってないけど、私もそういうわけでちょっと先の予定が読めんからtiotioさんには伝えとくね。」
彼女と別れた後、すごく落ち込みました。
彼女の意固地なところは、年のせいかも。なんて思い込んでいた自分が恥ずかしくてたまりませんでした。
きっと、私のそういう思いが彼女に伝わってたのでしょう。
だから、彼女は私にそんな弟さんの状況を教えてくれたのでしょう。
落ち込んでばかりもいられませんが・・・落ち込みました。
4 件のコメント:
人の気持ちって言葉にしないと伝わらないと思います。
以心伝心なんてできる関係はホントに稀ですよ。
と言うよりも殆どないと思う。
きっとその先輩さんも言葉で伝えなければと思われて
打ち明けてくれたのではないでしょうか?
こんな私事を話してくれる程にtiotioさんは信頼されているのですね。
justitiaさん
おはようございます。
励ましてくださってありがとうございます〜^^
つい最近、『「怒り」と「不安」はベストカップル。「不安」をごまかすために「怒る」のです。』と言うのを目にしました。
私の場合、確かに子供に怒る時って、子供の行為に怒ってると言うより、自分の中の「不安」を子供にぶつけることでごまかしてる感じです。
最近の私のテーマは「怒らない」です。
「怒り」は喜びにも和にもつながらないと、やっと本格的に気付いたので。(この歳にしてやっとです(^^;))
だから、「怒っている人」に会うと、あぁ、この人は今「不安」なんだなと、そう気付けるような人でいたいと。tiotioさんのブログ見て、さらに思いました。
って言うか、自分が「怒らない」が一番先なんですが。
常に冷静でいれる人。
・・・・・・・・・私には先は遠いです。無理です( ̄▽ ̄;)
namonamoさん
なるほど。
そういう視点があれば、優しくなれるかも。。
ありがとう。
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