Into the Wild
大学を優秀な成績で卒業した若者が、あえて社会を捨て、その身一つで自然の中で生きていこうとする話でした。
原作はノンフィクション「荒野へ Into the Wild」 byジョン・クラカワー
1992年 アラスカで一人の青年の遺体が発見されます。身元を確認すると裕福な家庭で育った優等生のクリストファーという青年であることがわかります。彼がなぜアラスカで息絶えたのか。
話は、クリスの妹の語りと、彼自身の日記をベースに進みます。
旅の途中で出会う人は皆、勤勉で素直でいつも笑顔の彼のことが大好きになります。そんな明るい彼を旅へと駆り立てる理由の一つが、両親の存在でした。妹と彼は幼い頃から常に仮面夫婦の彼の両親の不仲に心を痛め、苦しんでいたのです。
アメリカ各地を放浪し、色んな人と出会います。ヒッピーや、北欧から来たヤングカップルや、大牧場を営むワイルドガイ、そこで出会った野生生活の師匠、バーガーショップのバイト仲間。。。最後に退役軍人で皮革職人のおじいさんと親しくなります。
このおじいさんとのシーンではいい台詞が目白押しです。印象に残ってるのが次の2つです。
クリスの出発が近づき、お互いに湿っぽくなったときにクリスが「神はあらゆる所に新たな楽しみを用意している」と言って自分とおじいさんを励まします。
なるほど。前向きだねえ。
そして、おじいさんからクリスには、彼の家族について「許せる時がきたら、愛せる。愛せた時に、神の光が君を照らす。」
ちょっとネタバレ。
最期はとっても残念です。アラスカでの生活の中でクリスは両親を愛せると思える時を迎えます。旅を終える時が来たのです。アラスカを出発するべく数ヶ月前にやって来た道を戻ろうとしますが、来た時は歩いて渡れた川が、雪解け水で水かさも増し、流れも速くなっていて、渡れなかったのです。
ラストで、実際のクリスの写真が画面に登場します。彼の死後2週間で発見されたときに、現像されていないフィルムがカメラに残っていたものです。
胸を打たれました。
「Desperado」の訳詞を教えてくれた人が、Desperadoを聴くとこの映画を思い出すと語っていたので、観たくなりました。
監督のショーン・ペンさん、ほんっとに最近いい仕事しますよね。
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