6年生にとっては最後の読み聞かせでしたので何の本を読もうかちょっと悩みました。
そして私に選ばれた本は「巨男(おおおとこ)の話」
by 新美南吉
心優しい巨男が、白鳥と都へ向かいます。
この白鳥、本当は都のお姫様なのです。
巨男の母親である魔女の魔法で白鳥にされてしまったのです。
この魔法をとくには、白鳥が涙を流さないといけません。
巨男は、都への道中、なんとか白鳥に涙を流させようと思って、たたいたりつねったりしますが、白鳥は悲しそうな顔をするだけで決して泣きません。
そしてじっと巨男のそばを離れません。
巨男は白鳥がかわいそうでたまりません。
都に着いた巨男は困り果ててしまいます。
ネタバレ
とうとう巨男は白鳥に、自分にこんなになついている白鳥なら、自分が死んでしまったら泣くに違いないと決心し、塔から落ちて死んでしまいます。
白鳥は泣きに泣きます。
そしてお姫様の姿にもどった彼女は言います。
「私はいつまでも白鳥でいて、巨男の背中にとまっていたかった。」
もう、滂沱の涙です。
担任の先生が、「tiotioさん!その本貸して下さい!」
と追いかけてきました。
お貸ししました。
ポチャオ君の本読みカードの余白に、びっしりと感想を書いてらっしゃいました。
先生、とっても心に残ったらしく、
ポチャオ君の話によると、
図工の時間に彫刻刀でみんな作業してたら
「そうか〜白鳥は巨男が好きやったがやね〜」
などと子どもたちの作業を見回りながら、しみじみとひとりごちていたそうです。
先輩の感想は、他に方法が無かったんだろうかと、かわいそうで仕方がないそうです。
新美南吉すばらしい。